テクノロジーだよ人間だよ

インターネットやスタートアップやテクノロジーなど

VR(仮想現実)の海外動向 ~Cluster加藤さん×DVERSE沼倉さん~

ポケモンGOをインストールしようとしたら、あなたの端末には対応していませんって出てきてキレそうなカヤバです。

f:id:kayaba_akihiko:20160726200926p:plain

先日、Tokyo VR Meetup 第7回に参加してきたので、後半の「VRスタートアップで世界挑戦」のセッションの内容をまとめてみました。めちゃくちゃ面白い話ばかりでした\(^o^)/ VRの海外事情について、クラスターのCEOの加藤直人さんと、DVERSEのCEOの沼倉正吾さんが、Panoraの司会の方が用意した質問に答えていく形式です。

クラスターを知らない人はこちらのホームページをぜひ参照してください

cluster.mu

DVERSEは、CADデータを元に建築物などをVR空間内で生成する、土木建築向けのVR制作の「SYMMETRY」というサービスを運営しています。

Q1 VRはやっぱり海外の方が盛り上がってる??

ほとんどの企業がいきなりVR/AR対応してきたスピード感

沼倉さんが海外イベントである、3DCAD関連の企業が集まる『3D BASECAMP』に参加してきたらしく、そのレポートを披露してくれました。前回までは一社もVR/ARなんて一切言っておらず、VR/AR対応の製品は一つもなかったようです。それが今回は、ほとんどの企業が急にVR/ARを実装して主要製品をVR対応にしてきたらしいです。ですが、フレームレートやチューニングが大甘だったりして、おざなりなVR/AR対応に留まっているようです。なので、「皆さんのほうが知見持ってると思う。」「まだ大手がくるまでに時間がかかる。」のようなこともおっしゃっていました。

VRが”盛り上がる”には投資と開発と消費の三拍子が揃わねば (日本より海外のVRのほうが盛り上がっているのか考える際)

加藤さんいわく、

日本でも海外でも、VRでソーシャルはまだ早くない??って言われたとのこと。実はアバターでチャットするサービスはAltspace VR以外にも、海外でガンガン出てきてる。

”盛り上がる”には3つの要素がある。投資と開発と消費。

1投資

今年に入ってから11億ドル(1千億円以上)がVR/ARに投資された。(マジックリープによる全体の底上げのせいもあるけど)。盛り上がっていると言える。HTCも1兆円の投資ファンドを組んだ。それに対して日本のVCは、そろそろ投資をはじめないといけないということで、腰を動かしだした感じ。

2開発

沼倉さんがお話のとおり、盛り上がっている

3消費

分からない。数でみたら海外のほうが圧倒的。PSVRはほとんど海外向けだけど、意外にアイマスとかサマーレッスンみたいな、日本人向けのコンテンツもやってたりするから、もしかしたら日本のユーザーも狙いにきてるんじゃないか?

Q2 海外のVRでアツいのはどの分野??

沼倉さんいわく、

ニューヨークではファッションや音楽がアツい。「SpaceoutVR」ではVR内で音楽を共有することができ、コミュニケーションのハブになっているそうです。

ビジネス系はとにかくアツい。お客さんに綺麗なものを見せて体感させるという目的がストレートではっきりしている。投資の規模はゲームよりビジネス向けの方が全然デカイ。

加藤さんいわく、

意外にもハード(ヘッドマウントディスプレイからインプットデバイスまで)が多い。日本よりハードやってる人達が多い。やっている人たちが結構年配のおじさんの方々がちゃんと会社としてやっているそうです。

Q 中国でHMDいっぱい出て来てるけど、逆にコンテンツはまだ微妙なのか?

沼倉さんいわく、

メガネ型ディスプレイ作ってるとこはなんと300個もある。むしろソフトが全然ない。ソフトを囲い込めてるのはテンセントくらい。途上国には中国の安いデバイスが行くはず。スマホでいうシャオミとかと同じように。

加藤さんいわく、 

中国はVRに関しては、まずは足がかりをつけようっていうレベル。

 

Q3 海外からのフィードバックで日本との違いを感じたことは?

沼倉さんいわく、

イベントとかでガンガンつっこんでくる。「ここのとこどーなってんの?」「こうしたほうがいいんじゃない?」など。なので良い意味で非常に助かる。(日本人はすごいですね~など褒めてくれる)とのことです。

加藤さんいわく、 

圧倒的に違ったのは、海外のVCは技術的にどこでブレイクスルーがあるのか等、かなり突っ込んで聞いてくるとのこと。あとはクラスターに対するフィードバックで面白かったのは、アバターなどがCuteだねと言われた(おそらくネガティブなニュアンス)北米で流行るものはむしろクールなもの。アジアはcuteより。とのことです。

 

Q4 日本のベンチャーの強みは?逆に足りないところは?

沼倉さん 

日本のサービスは情報が外に出てないだけ。スタートアップやるんなら英語でも発信していけばいい。力自体はある人が多い。若い人も勝負できるので、ビビらずにがんがん行っていい。

加藤さん 

コンテンツの細かさ、質は負けてないどころか日本の方が強い。でも日本に最適化してしまう。ガリガリ作りこんでしまう傾向がある。まだ大雑把でいいので使われるものを作っていけばいいかも。あとは、日本は日本特有の市場を生かせる。シニア向けのコンテンツをつくって、海外に輸出していくなど。日本でフィールドテストができる。

AR/MRは来てもらう体験。VRは行く体験。AR/MRが発達してもVRは残る。by加藤さん

例えば、狭い四畳半の部屋だったら、そこにARでアイドル来てほしくない。その場合はVRで行きたい。とのこと。

おぉ~~~なるほど、確かに!!目から鱗でした、さすが加藤さん!!!

 

 ここから下は会場の方々からの質問です

Q AIへの取り組みは?

加藤さん AIはVRのインターフェースにおいて実はめちゃくちゃ重要。顔が覆われるから、キーボードとかも難しい。したがってUIはチャットボット形式の対話になっていく。だから機械学習の知見が必要になってくる。

Q いまは普及期に入ってるのか??

沼倉さん。

まだ全然普及期じゃない。まだコントローラーの規定すら決まっていないから。例えば任天堂とかもいろんなコントローラー出しまくって、最後ようやく一つに定まった。普及期を迎えるには、まずコントローラーの規定が決まらないといけない

Q VRにより人の移動がなくなることの弊害は??

VRは人の移動をなくす。人の移動がない世界は、例えば地方を想像すれば分かりやすい。お店もなくなっていっちゃう。VRの普及でお店が全部アマゾンに変わっちゃって、ってなってしまう懸念は?? 的な質問です。

加藤さん 

そうなったらいいじゃんという気持ち。一番のエネルギーの無駄は、実は人間の移動(存在もほんとは無駄。)合理性から、VRで外には出なくなる。そうしたら外で行って人に会ったりすることが、”贅沢”な位置づけになる。そうなると外のものの価格は高くなっていく。家を出るというのは、物を調達しにいくか、人に会いにいくかの2パターンしかない。でも物はアマゾンでいい。仕事でオフィス行くのも、人に会いに行く うちに入る。この出勤は無駄で、これを解決できるのもVR。

 

ちなみに最後に参加者が登壇して1分間アピールできる「スーパーライトニング告知タイム」というのがあるのですが、5名くらいがそれぞれ登壇してました。これすごく魅力的ですね。

ちなみにTokyo VR MeetupはTokyo VR Startupsが主催しているので、会場にはGUMIの國光さんや『VRビジネスの衝撃 ~仮想世界が巨大マネーを生む~』の著者である新清士さんもいらっしゃってました。

 とにかくTokyo VR Meetup、とても面白くて、とても勉強になりました。今まで参加してこなかったことに後悔MAX・・・

UNITY VR EXPOレポ(7月17日)

日にちが空いてしまいましたが、先日秋葉原で行われたUNITY VR EXPOに行ってきたので報告したいと思います。

 

10時30分開始で、開始前にすでに行列が出来ていたみたいです。1000人を越える参加者が来場し、会場は熱気に満ちていました。男性のほうが圧倒的に多かったですね。若い人もけっこういた。

 

時間が限られていたので全部体験することは出来ませんでしたが、体験できたものだけ紹介します。 

 

戦艦大和復元計画」

f:id:kayaba_akihiko:20160721182821p:plain

VRビジネスの衝撃で紹介されていた戦艦大和はぜひ体験してみたかったコンテンツの一つです。これがとにかくすごかったです。今まで体験してきたVRコンテンツの中で最も没入感がありました。待っている間に、比較的大きい2Dのスクリーンで、VR体験内の映像を一通り見ることができました。なのでなんとなくこれを360度のVR版にした感じかって予想して油断していましたが、いざやってみると物凄いです。本当に戦艦大和のデッキ上から船と海を眺めている感覚でした。細部までこだわっていて、奥行きとかも超リアルです。完全に秋葉UDXの展示コーナーに座ってるってこと忘れていました。途中上から戦艦大和を見下ろすシーンがありますが、完全にヘリコプターに乗って見下ろしている感覚です。(ヘリコプター乗ったことありませんが)

 

「飛べると!」

f:id:kayaba_akihiko:20160721182655p:plain

f:id:kayaba_akihiko:20160722011027p:plain

「VR産業革命」イベントで誰かがたしか、”VR酔いしない”という文脈で言及していたので、気になっていました。

リュックを背負って、椅子に座ります。VR空間内での左右と前方への飛行は背負ってるジェットパックのセンサーによって。体を前に倒すと、前方に飛んで行くことができます。また、座っている椅子を左右に動かすことでも、左右に飛べるようになっています。上に飛ぶには右手に握った特殊な形のマウスのボタンを押し続けます。ボタンから指を離すと、落下していきます。上半身をフルに使ってVR空間を飛んで行くのは非常に面白いです。思うがままの方向に飛んで行くのはけっこう難しいですw さらに、飛んでいる状態から地面におりたつと、胸のあたりがふわっとする感覚を覚えます。タワーオブテラーのあの感じのミニバージョンみたいな感じです。物理的に体は上下運動していないので、とてもおかしな話です。友達が最初に体験して、ふわってなったって言っていて、信じていませんがやってみたら同じくでした。(気のせいかもしれません。)脳が錯覚しているんですかね??

 

Dragon Breaker -TAG

f:id:kayaba_akihiko:20160721182601p:plain

Leapmotionを使って手の動きをトラッキングします。手をグーの形にすると、気孔弾のエネルギーをためることができます。そこから、手の指を広げてパーの形にすると、気孔弾が発射されます。

f:id:kayaba_akihiko:20160721183126p:plain

両手で撃つことも可能です。ベジータになりきれます。

発射したあとで手を上に動かしたりすると、気孔弾も上に曲がります。

ドラゴンが迫ってくるので、気孔弾を使って撃ち落としていく感じです。残念ながら魔人ブウやセルは登場しません。

VR版のLeap Motionははじめて使いましたが、PC版と同じ感じでけっこう反応いいです。ただセンサーがカバーする範囲がそこまで広くないのがネックでしょうか。

このDragon Breaker以外にも、ハンドモーションをVR上に反映させるためにリープモーションを使っている出展ブースがけっこうあったことに驚きました。その方法はわりと少数派だと思っていました。

 

スマホをVRに持ち込んでみた

f:id:kayaba_akihiko:20160721182722p:plain

タイトル通り、実際のスマホをVR空間に持ち込むことができます。VR空間でスマホを操作し、写真をとって、Twitterを開いて投稿することができます。つないであるリアルのスマホをいじると、VR空間内のスマホの画面もそれに応じて変わります。(しかし逆パターン、VR空間でスマホをいじっても、リアルのスマホの画面は変わらないみたいです。これはアンドロイドの仕様の問題かなにかが原因だそうです。)スマホ画面を横にしてみたり、左右に動かしたり、拡大縮小したりすることができます。

VR空間でもスマホを肌身離さず持ち歩くことになるのでしょうかw 歩きスマホでぶつかっても支障なしですねw といっても、将来はスマホを介さなくても、スマホで出来ることはVR上で難なくできるようになるでしょう。

 

PING PONG LEAGUE

f:id:kayaba_akihiko:20160721182639p:plain

両手にHTC Viveのコントローラーを持ち、サーブをするときは左のコントローラーで玉をつかんで、上に投げて、右のコントローラーで打ちます。ラリー中は右のコントローラーしか使いません。実際の卓球と比べると玉を正確に打ち返すのはかなり難しいですw 慣れてないだけかもしれませんが。

 

HADO

f:id:kayaba_akihiko:20160721182625p:plain

外のリアル映像がディスプレイ越しに投影され、視界には外のリアル映像の上からデジタル情報がのっかっています。特殊なタイプのヘッドマウントディスプレイを使用しました。装着していてもヘッドマウントディスプレイに隙間があるので、左右と下のリアル世界が若干見えます。利き手にはセンサーを巻きつけます。チーム対戦で、相手の羽を撃ち落としていきます。弾をうつためのゲージは数秒で自然にたまります。ガードをするには、利き手を数秒間下に向けてガードゲージを貯めてから、腕を上に振り上げることでガード発動です。左右に動いて相手の弾をよけることもできるので、全身の動きもトラッキングされています。難しかったですがけっこう楽しかったです!

 

Intersubjective Space

f:id:kayaba_akihiko:20160721191643p:plain

チームラボの方による作品です。Tilt Brush(まだ体験してませんが)みたいな感じで、HTC Viveのコントローラーを用いてVR空間で描画できます。3D空間で初めて描画を経験したので、めっちゃ楽しかったです。立方体や球、そしてその中にもさらに3Dのものを描いていくことができます。また、以前 Leap Motionと既存の文字書きアプリを使って、空中で文字を書いてPC上に表示させようとした時には、文字がグニャグニャになってしまって全く書けませんでしたが、Intersubjective SpaceではHTC Viveのコントローラーで漢字や数字を非常に高い精度で書くことができたことに驚きました。このIntersubjective SpaceはTilt Brushが出てくる前から進めていたらしいです。

 

Circle of Savior

www.youtube.com

 

僕は体験できませんでしたが、一番賑わってました。HTC Viveはこうゆうコンテンツを作れるのが魅力的ですね。リアル世界でたくさんの観客に囲まれてる中で、体験者は恥ずかしがる様子が一ミリもなく、みんな全力で動きまわってコントローラーふりまわしてましたw みんな現実世界にいること忘れて、完全に没入しきってますねw

f:id:kayaba_akihiko:20160722011600p:plain 

 

とにかくVRに対する熱気を感じた一日でした。モチベがあがりました。

僕もはやくこのような場でVRコンテンツを出展してみたい・・・!

修業あるのみですね。

f:id:kayaba_akihiko:20160721193437p:plain

 

 

新時代のコンピューティングプラットフォーム(VR/AR/MR)のOSをおさえるのはどの巨大IT企業か?②

f:id:kayaba_akihiko:20160817151152p:plain

目次

なんでいまのVRでマルチタスク的なことができないのか??

新時代のコンピューティングプラットフォーム(VR/AR/MR)のOSをおさえるのはどの巨大IT企業か?① - kayaba_akihiko’s diary

前回の記事で、現状だとVirtual Desktopくらいが限界だということが分かりました。

なぜでしょうか??

それは、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)は高性能PCのOSに依存するからだと思います。

この話をする前に、大前提に戻りましょう。

オキュラスリフトやHTCViveなどを稼働させるには、高性能なゲーミングPCに接続する必要がありますよね?

なんでそんなめんどくさいことしないといけないの?無線のほうがいいじゃん!!

オキュラスやHTC Viveは、次世代コンピューティングプラットフォームではありません。これらはただの表示装置、ディスプレイです。コンピューター上で動いてるものを、映し出す装置にすぎません。

ゲーミングPCを何かしらの形でHMDに組み込んだら(可能なのか知りませんがw)、重すぎてぶっ倒れますねw 

(追記8月17日:インテルが最強のVRヘッドマウントディスプレイ出してきたw

japanese.engadget.com )

ゲーミングPC分の値段も上乗せされるので、オキュラス単体で25万円くらいになるでしょう。もしこれができたら、オキュラスリフトなどのヘッドマウントディスプレイはいよいよ、それだけで「コンピューター」になりえます。ですがそれが実現するには、ゲーミングPCがオキュラスに入れ込めるくらい小型化する必要があります。

こう言うと、皆さんはモバイルVRである、GearVR等を思い出すはずです。HMDスマホをはめこむタイプです。(高性能PCと比べたら劣るスマホを使うので、ゲームなどには不向き、360度映像などを見る分にはOK)今は便宜上、既にみんなが持っているスマホをはめこんでいますが、将来オキュラスにははめこむというよりは、もう販売時点で中にコンピューターが組み込まれている状態になるのではないでしょうか??あるいは、スマホがいまの高性能PCなみに進化すれば、スマホをはめこむ路線でいくかもしれません。

マイクロソフトのARデバイスのホロレンズは、無線で稼働します。HMDにwindows10のコンピューターも組み込まれています。)

本題に戻りますが、オキュラスは、Windowsの高性能PCにつないでますよね。このときの高性能PCのOSは、2Dのパソコンスクリーンを前提にしたOSです。だから、360度視野でVRゲームをするのは可能でも、VR上でマルチタスクやって、アプリを360度に開きまくるってなると、無理なんです。

 ということは、VR用のOSを1から作り直すしかないんです。

 

オキュラスの公式サイトのフォーラムはけっこう参考になる!

このオキュラスのサイトのフォーラムでは、2014年の段階からこのVR用のOSについての面白い議論が行われていました。(議論のみです)

forums.oculus.com

このSpacesysという会社は、上記のオキュラスのフォーラムで知りましたが、VRのOSに近いものを作ろうとしているようです。既にオキュラスにも対応しているようです。

www.3deaspacesys.com

グーグルがVR用のOSを開発!?

ちなみに、グーグルがVR用のAndroid OSを開発中という記事が今年の3月くらいに出まして、それを見た時点で僕はOS開発は秒で諦めましたw

GoogleがVRヘッドセットなどに合わせたAndroid OSを開発中 - GIGAZINE

 ですが、最近また考えてみたところ、グーグルが先にAndroid VR OSを世に出してしまえば、本当に全ヘッドマウントディスプレイ(HMD)はAndroid VR OSで動くようになってしまうのか??と疑問に思いました。スマホだったら、Androidはあらゆるハードウェア上で動きますが(SonyXperiaでも富士通スマホでもSamsungスマホでもなんでも)、はたしてそれはHMDでもそうなのか??

そうなるには、オキュラスなどのHMDにつなぐ高性能PCでAndroidが作動する必要があるんじゃないか?

ですが Androidはもともとスマホ用のOSで、PC用のOSではないですよね。Windowsの高性能PCでも動く新しいアンドロイドを開発するとなると、また話が変わってくるのでは??(Androidではパワポ、キーノートとかも使えないはずです。)

もしそのような理由で、VR用のAndroidが既存のGoogle Cardboardと、グーグルが今後発売していくヘッドマウントディスプレイでしか動かないとなれば、オキュラス用にOSを売り込めば、まだ可能性はある!?

 

そもそもなんでグーグル以外の、フェースブック率いるオキュラスや、マイクロソフト、アップルらは、VR用のOSも作っちゃわないのか??仮説

Facebook

オキュラスはあくまで表示装置をつくっているにすぎないので、フェースブックにとってはOS開発は畑違いで知見がないのかも?お金はいくらでもありそうなので、リソースつぎこめばいけそうな気もするが、費用対効果が悪いのかもしれない?

Microsoft

確かにオキュラスとつなぐ高性能PCはwindowsなので、マイクロソフトwindowsのVR用のOSを開発しちゃうのが一番自然に感じます。ですが、マイクロソフトはホロレンズを開発して所有しているので、VRのOSよりもARのほうで頑張りたいと考えてるからかもしれません。

Apple

アップルはHMDの特許とかも出してるみたいで、セカンドプレイヤーとして参入することは見えています。MaciPhoneと同じように、VR iOS的なものはアップルブランドのハードでしか使えないようにしてハードとOSのセット販売をしていく独自路線でいくのでは?

 

そもそもOSとハードウェアの関係性がいまいち分からない・・・

OSとかに詳しい人いたら教えてください(T_T) (丸一日かけてPC/AT互換機NECの98などの歴史から学びましたが…w)

ここでOSに関して無知な僕に疑問が生じたのでとりあえず仮説を・・・

①既にあるハードウェアに合わせる形で、OSを開発することは可能なの?

もしそれが可能ならば、既存のWindowsのゲーミングPC上で動作するVR用のOSをつくり、表示装置であるオキュラスにつなげば、いまのオキュラスでも使えるのでは?(既にwindowsで動いているゲーミングPCに新たなVROSを上乗せするとなると、windowsPCでMacOSの環境整備する仮想化的アプローチになる?)

②もし既存のハードウェアに合わせる形で新しいOSを開発することが不可能ならば?

スマホの時のAndroidの路線になるはずです。Androidは2007年にオープンソース形式で公開されて、Android用のスマホが発売されはじめたのが1年後の2008年です。これと同じように、新しくVR用のOSを開発し、そのVRのOSが使える高性能PCをPCメーカーに製造してもらって、それをオキュラスにつなぐ形式になるのでしょうか??そしてその新たなVRのOSを、(PCでいうWindowsがとった路線と同じように)各PCメーカーにOEM供給していき、VRのOS用の高性能PCが製造されていけば、VRHMDの標準OSの地位を獲得できるかもしれません。

 

17歳のティーネージャーがVR用のOSを開発中!?

ちなみに、今日twitterで、「VR用のOS」で調べたら、おそらくSkyland Venturesから出資をうけているLoki Incというベンチャー企業がVR用のOS開発中でした。さらに、「operating system for VR」で調べたら、marvelというヘッドマウントディスプレイに関するツイートが。どうやら17歳の少年、エリック・フィンマン氏がmarvelというHMDをつくっていて、海外のクラウドファンディング最大手のindiegogoから、VR用のOS開発のための資金を募っていました。。。!!この少年は13歳のときにビットコインに投資して、1000万円儲けたみたいです。彼が率いるVRのチームには、スタンフォード大学で博士号を取得している人が多数参加しているとのこと。。。驚異的な少年だ・・・。

mashable.com

 

バイルVRのOSはAndroidが、ハイエンドVR(PCVR)のOSはWindowsが主流になり、グーグルとマイクロソフトの2人勝ち!?

さらに、「operating system for VR」で調べたら、googleのdaydreamに関する記事を紹介しているツイートも何個か。googleがVRプラットフォームのdaydreamリリースってのは聞いていましたが、詳しく調べていませんでした。改めて調べてみると、これが3月記事になってたVR用のOSのことを指していると分かりました。

スマートフォンがVR向けのスペックになったとしても、VRを動作させるにはOSが重要であるということで、新バージョンのAndroid Nには「VRモード」が搭載されることになりました。また、VRのシステムUIが搭載されることで、VRコンテンツをスマートフォンで体験中でも通話やメールの通知を表示できるようになります。VR向けのスマートフォンでVRを楽しむにはVRヘッドセットが必要ということで、Googleは快適性に重点をおいてメーカーとともに開発中。どのメーカーから発表されるかは明らかにされていませんが、新しいVRヘッドセットはDaydream-Readyのスマートフォンとシームレスで動作し、2016年秋に登場予定です。Android Nを搭載したDaydream-ReadyのスマートフォンSamsung・HTC・LG・Xiaomi・Huawei・ZTE・Asus・Arcatelから登場予定で、この中のいくつかは2016年秋にリリースされます。

 

 Where Google Cardboard worked with almost any smartphone, Daydream will only work on new phones with specific components like special sensors and screens. For phones that can handle it, Google is baking a feature called Android VR Mode into the latest version of its operating system. Hinted at in leaks before the show, VR Mode includes a series of optimizations that will improve apps' performance. But it's also an ecosystem that users will be able to navigate inside virtual reality. A Daydream home screen will let people access apps and content while using the headset; an early look shows a whimsical forest landscape with the slightly low-poly look that Google has used in Cardboard apps. Inside this environment, Google has created special VR versions of YouTube, Street View, the Google Play Store, Play Movies, and Google Photos. It's also recruited a number of outside media companies to bring apps to Daydream, including streaming platforms like Netflix and gaming companies like Ubisoft and Electronic Arts.

 

ようはスマホ用の新しいAndroid OSに、VRモードという機能が加わり、これからその新しいAndroidのOS用のスマホが発売され、それ用のグーグルのHMDも発売された暁には、VR用OSとして360度マルチタスクも可能になり、VR上のナビゲーション役になるということですね。

ということはこの場合は、既存のハードウェアに合わせる形で新しいOSを開発するのは厳しくて、新しいOSが使えるハードを製造していく流れっていう仮説②の方向性であってたのかな・・・?

ただここで分かるのは、VRモードがある新しいアンドロイドは、スマホ上で動きます。グーグルもGearVRのようにスマホをはめこむタイプのハードを作っていくということでしょう。ということは、この新しいアンドロイドOSがどれだけ普及しても、ハイエンドVRであるオキュラスやHTCViveで使用されることはないはず!

となると、バイルVRに関しては、OSはAndroidが主流になっていく流れになりそうですが、やはりハイエンドVRのOSががら空きですね。(最初の方で紹介したSpacesysくらい?)

と思っていたら、

マイクロソフトがホロレンズ用のWindowsホログラフィックOSを、VRのヘッドマウントディスプレイ(HMD)でも使用してほしいと考えているいう記事を発見してしまいました。

Microsoft wants VR headsets to run its Windows Holographic OS | The Verge

 もしこの構想が実現すれば、VR(仮想現実)/ AR(拡張現実)/ MR(複合現実)のOSの覇者は、マイクロソフトに決まりですね・・・!!(モバイルVRのOSはグーグルが引き続き頑張っていきながら。)

www.youtube.com

動画内にHTC Viveが出てきますw

 

(P.S)おそらく全体的に間違ってるとこ多数あると思うので、ご指摘いただければありがたいです・・・!

 

 

新時代のコンピューティングプラットフォーム(VR/AR/MR)のOSをおさえるのはどの巨大IT企業か?①

(仰々しいタイトルにしてしまってすみません・・・笑)

ところで、パソコンって使いづらくないですか??基本的にはウィンドウ1個しか開けず、いちいちウィンドウを切り替えないといけませんよね?Chromeでなにか検索して、次にエクセルに移って、またChromeにいって、、、みたいな。

画面の左右で分けて2つウィンドウ表示させるのもありですが、ちっちゃいですよね・・・(デスクトップ用のMacとかだったらけっこう大きくて何個かウィンドウ表示させられますが。)

スマホに至っては、もっと小さくて不便ですよね。。。わずか5cm×10cmのちっぽけな画面を1日何時間も覗きこんでるんです。

では、次なるコンピューティングプラットフォームのVR/ARだとどうなるのか??

使えるスペース無限大ですよね。

同時に何個もウィンドウ開けます

まさにアイアンマン的世界ですね。(アイアンマンはAR(拡張現実)よりですが。)

f:id:kayaba_akihiko:20160716173051p:plain

 

10年後は当たり前にこんな感じの世界になってるでしょう。今のマイクロソフトのホロレンズでは既にそんな感じのことできます。

www.youtube.com

でも現時点で、VR上でもこれができたらよくないですか!?!?

VRのOSが出来上がったら、おそらくホーム画面は、VR空間上にテニスボールサイズのアプリがたくさん浮いているのでしょう。(Webブラウザ経由のPCよりも、アプリ経由のスマホに近い形になるのではないかと思います。)

おそらく、頻繁に使うfacebooktwitterinstagram、エクセル、パワポ、メモ帳、gmailyoutubeなどのアプリは、テニスボールくらいのサイズで、球体で宙を浮いてると思います。それを掴むと、アプリ起動といった形式ではないでしょうか。それ以外のものは、Chromeの球体からアクセスしていく感じでしょうか。スマホとおんなじです。(テニスボール型ではなく、ふつうにタッチパネル形式で、2Dのアイコンがたくさん板にのっかっていて、その板が垂直に前方にあるっていうほうが普通かもしれませんねw)

前方にパワポ開いて、右にgoogle検索でリサーチ用のウィンドウ開いて、左にLINE開いて、って感じでしょうか。360度空間でマルチタスクが可能になりますね(仕事で使うなら椅子に座っていて、いちいち後ろ向くのも面倒くさいので前方180度に限定されるかもしれません)。ハンドモーション(おそらくLeapMotionのインプットデバイスを使用することになる)でウィンドウを拡大縮小したり、左右上下に動かしたり、ウィンドウを入れ替えたりもでき、VR空間上に表示されたキーボードにタイピングして入力していく、あるいは音声入力。ファイルを削除するときは、3Dのファイルをつかんで、どっかの方向に向かって投げる動作をして削除することになるかもしれません。1人で使うだけでなく、複数人使用の共同アカウントをつくれば、2人以上でVR空間を使うこともできます。(これについては後日メリットを書きます。リンク参照:◯◯◯)

こんなOSが作れたら、半端なくないですか??絶対売れるじゃん!!

(OSは数百から数千万行のコードを書かないといけないらしいので、リソースの壁が立ち塞がりますが)

 

とりあえず、やってるとこないのか?ということで以前リサーチしてみました。

  

LeapMotionの人が、いろいろおもしろいことやってました。

blog.leapmotion.com

www.youtube.com

これの12分15秒あたりからですね。(この動画は最初から全部超面白いです)

ですがこれはイメージ図で、製品化はされていません。

 

製品化されているものも!! 

 

Virtual Desktop(Steam:Virtual Desktop

オキュラスとHTC Viveに対応しています。

f:id:kayaba_akihiko:20160716180850p:plain

おぉすげえ!って思うかもしれません。でも、惑わされちゃいけません。これ、ただPC上のデスクトップを、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)越しで映してるだけです。オフィスでまわりに人がいて集中できないとか、机や部屋が汚くて集中できないって人にはニーズがあるかもしれませんが(そのためだけにVR酔いも覚悟の上、重いHMDを頭に装着するとは思えませんが)、VRによって、PCという制約された画面から解放されたい!!っていうニーズには1ミリも応えていませんよね??

 

いや、でもVirtual Desktopの紹介動画でこんなシーンが出て来たぞ!!

f:id:kayaba_akihiko:20160716181220p:plain

いいえ、惑わされちゃいけません。

「If you have a multi-monitor setup」って言ってます。ようは、現実世界で机に2台PCという設置してマルチモニター設定にしてる人は、VR上でも上記の画像のようなことができるってことです。360度の空間に、googleの検索ページやエクセルやyoutubeの画面をずらーっと10個くらいVR空間に並べようと思ったら、現実世界で机に10個PC設置しないといけないってことです。一ミリもパソコンスクリーンの制約から解放されていません。唯一の利点は、拡大縮小ができるため、1個のウィンドウを、通常のPCスクリーンよりもデカく表示して見れるといったことくらいでしょうか?プロジェクターみたいな感じですね。

 

こんなシーンもでてきます。

f:id:kayaba_akihiko:20160716174330p:plain

これも惑わされちゃだめです。

ウィンドウやらアイコンやらを個別にVR空間で配置し直しているわけではありません。これは「Transparentモード」を有効にしているだけで、デスクトップの背景を透明にすることで、スクリーンの枠が見えてないだけです。ようは1枚目の写真と全く同じ状態です。

 

とりあえずVirutal Desktopはあかんって分かりました。じゃあウィンドウを360度にずらっと配置して並べるには何をしないといけないのか?

OS(オペレーティング・システム)を1から作り変えないといけないのです。

 

(続く!)

kayabaakihiko.hatenablog.com

VR(仮想現実)の本質を考えてみよう ~VRはなぜ没入感が生じるのか?~

家でテレビを見てるとき

皆さん、TSUTAYAで借りてきた映画を家で見るとき、あるいはパソコンやスマホで映画や何かしらの動画を見るとき、その世界に没入してる感覚になりますか??

f:id:kayaba_akihiko:20160714201357p:plain

 

ならないと思います。

なんで没入してる感覚にならないと思いますか??

家でテレビを見てる時、当たり前ですが、そこにはテレビっていうデバイス、テレビがのっかってる台、テレビの後ろの家の壁、近くの窓、自分とテレビの間の床、ソファー、椅子、あらゆるものが目に入りますよね??

これらの余計なものが映るから、「自分はいま家にいて、テレビの中の映像を見ている」って思っちゃうんです。

パソコンで動画見るときも同じです。机、マウス、キーボード、机に並んでる本や書類、部屋のドア、壁、鉛筆入れ、床、あらゆるものが目に入りますよね??

これが、「俺はいま机に座っていて、パソコンをいじっていて、パソコンで映画を見ている」

っていう感覚にさせるんです。

 

映画館はなぜ暗いのか?なぜIMAXは没入できるのか?

ここでまたクイズ。

皆さん、なんで映画の上映中は映画館が暗くなると思いますか??

一瞬考えてみてください。

f:id:kayaba_akihiko:20160714201143p:plain

f:id:kayaba_akihiko:20160714201236p:plain

「そのほうが映画に集中できるから」

って思う人がけっこういるんじゃないかと思います。

じゃあ質問を変えましょう。なぜ暗いと映画に集中できるんですか?

「スクリーンがくっきり目立つから。」

はい、そうです。明かりを消したほうがスクリーンのライトの照射がくっきりしますよね。寝る前にスマホをいじったりしてるとき同じですよね。白い光がピカッと。

ですが同時に、暗くしたとき、もうひとつの効果もあるんです。

それは、スクリーン以外のものが見えにくくなるんです。映画館なら、他の観客たち、前の席の人の頭、上のほうの照明、通路、座席、入り口など、スクリーン以外のものが視界から見えにくくなるはずです。(もともとスクリーンがドデカいため、スクリーン以外のものは見えにくいですが。)

f:id:kayaba_akihiko:20160714200253p:plain

f:id:kayaba_akihiko:20160714200337p:plain

試しに夜、部屋を完全に真っ暗にして、PCで何かの音楽付きの動画でもを見てください。びっくりしますよ、PC画面しか見えなくなります。ふつうに見るよりも何倍も没入できますよ

f:id:kayaba_akihiko:20160714200700p:plain

これ、ある意味、没入体験なんです。

ある世界に没入するには、その世界以外のものは見えちゃいけないんです。その世界以外のもの(現実世界のもの)が見えた瞬間、「あ、いま自分は現実世界にいて、違う世界を見させられてるだけだ」って無意識のうちに思ってしまうからです。

家の小さいテレビで映画を見るより、IMAXのドデカイスクリーンで見たほうが没入感あるのは、スクリーンが大きくて迫力があるからっていうだけではありません。(もちろんそれも一要素ですが)

スクリーンが大きいから、それ以外のものが見えにくいからです。

VR(仮想現実)だとどうなるか??

f:id:kayaba_akihiko:20160714203126p:plain

現実と同じ360度の視界だから、没入できる。主観(1人称)の視界だから、没入できる。

いや、違うかもしれないと思いました。

360度全方位の視界が可能だから、→どこを見てもその世界のものしか見えない(現実世界のものが一切映らない)→没入感が生じる。

HMDを装着して前方の180度しか見ていなくても、あるいは限られた90度しか見えてなくても、没入感はまあまあ生じるはずです。(もちろん、360度になると、没入感はさらにプラスされて理想に近づくのは言うまでもありませんが)

 

こうゆうふうに言うと、次のように考える人もいると思います。

いや、VRは、高解像度の映像が、360度の視野が、360度のオーディオが、モーショントラッキングが、奥行きが、立体感が、質感が、包囲感が、動感が、レーテンシーが、視野角が、インタラクティブ性が、etc が没入感を形成させるんだよ!!

 

もちろんそれらも必要な要素だと思います。人間の知覚能力および知覚する実際の物事に最も近い状態で再現することがベストなのは当然なはずです。ただ、それは没入感を生み出すためのプラスアルファの部分かも?

とここまでパンピーが偉そうに語ってしまってすみませんwww あくまでいまのところの仮説です。

実際僕は漫画喫茶の中の廊下のど真ん中で、Gear VRを体験したとき、まわりに通行人がたくさんいるのに、全く恥ずかしげもなく、1人で「おぉすげぇ!」とか言いながらはしゃいでいました。

 また、HTC Viveを体験したときは、まわりに観衆がいることなど完全に忘れてしまって、動き回ったり、コントローラーを振り回したりして、ライトセーバーで遊んだり、ゾンビを撃つことにすっかり集中していました。

現実世界の映像が一切映らないから、没入しきれて、全く恥ずかしくないのです。

そして、オキュラス体験中にヘッドマウントディスプレイ装着時に下にわずかに隙間から現実世界が見えると、せっかく没入してたのに、かなり幻滅しちゃうんですよね。

視覚だけでなく聴覚でも同じ。

上記の話は、視覚だけでなく聴覚も一緒だと思います。

ある世界に没入するには、その世界の音しか聞こえちゃダメです。

親の夫婦喧嘩の声がめちゃくちゃ響いてくる環境で、音楽の世界に没入できますか?

無理です。音楽世界に没入するには、現実世界の音を完全にシャットアウトしなければなりません。だからそうゆう雑音・外音を遮断するノイズキャンセリング機能があるヘッドフォンが売れてるんです。ちなみに音を大きくすればするほど没入できます。

f:id:kayaba_akihiko:20160714204017p:plain

これが聴覚です。聴覚は今までも既に没入できていたんです。(ただ、聴覚でどれだけ没入できていても、目の前で夫婦喧嘩の視界が見えてたら、没入感覚が薄れます。スターウォーズの音楽トラックを大音量で聞きながら、かつ視界もスターウォーズの世界ならば、さらに没入できます。このように、聴覚と視界はセットです。)

 

電車で音楽聞くのはAR(拡張現実)!?

ちなみに、通常の音楽視聴はある意味AR(拡張現実) の一種なんです。

通勤途中に音楽を聞く行為。これは、本来ならば聞こえてこないはずの音、デジタル情報である音を、現実世界に組み込んでるってことです。現実世界の音を拡張してるってことです。

 

 

アニメ 『ソードアート・オンライン』から考えるSNSの未来とVR(仮想現実)の魅力

日本のアニメ、「ソードアート・オンライン」からVRの魅力(VRの魅力は腐るほどあると思いますが、そのうちいくつかを紹介します。)について考察してみます。ソードアート・オンラインってなんぞや?って人は以下のリンク記事読んでみてください。竿なら任せろ!って人は読み進めてくださいw

1 ソーシャル性

会ったことない人と、仮想空間上で会って、言葉を交わして、一緒に何かを体験していって、絆を深め合う。ソードアート・オンライン(SAO)では友情と恋愛が炸裂しまくり、主人公の感情に変化起きまくりの世界なんです。もうほぼ現実世界と変わらないんです。

でも考えてみたら、今のインターネット空間もSAO的VR空間に近いじゃないのって思ったんです。こうやってブログを書いて発信して、それを読んでくれる人がいて、2ちゃんで知らない人とだべったり議論したり、マッチングアプリで知らない人とチャットしたり。

kayabaakihiko.hatenablog.com

でもこのソードアート・オンラインでは上述したように人間関係のレベルが明らかに違います。レベチです。現実世界そのものなんです。それを感じさせるシーンは大量にありますが、

例えばこの会話。(ネタバレ回避の方は注意)

 

「なぁアスナ、俺たちの関係って、この世界だけのことなのかな」

「怒るよ、キリト君。たとえここが仮想世界でも、私の気持ちは本物だよ。もし元の世界に戻れたら、私、絶対キリト君ともう一度会って、また好きになるよ。」

 

 さすがアスナさん・・・。

これが2ちゃんねるtwitterマッチングアプリで絡んだだけの相手だったら、ここまでの情を抱きますか??www

なんで今のコミュニケーション媒体じゃそうはならないのか??

今のインターネット上の知らない人同士の交流はテキストメインだと思います。頑張っても音声の会話くらいじゃないですか?昔流行った斎藤さんっていうアプリとか。あるいはスカイプでのテレビ会話くらいです。

ではソードアート・オンラインはどうか?SAOは、本当に一緒にいる感覚があるから、絆が生まれるのでしょう。本当に一緒にいる感覚を実現させる要素は何か?

①主観の視点(アバターを第三者視点で見るのではない。)

②見えているまわりの景色が同じ(=視界の共有)(カフェに友達といるとき、まわりの景色は同じですよね?)

③体の動き、仕草など

④触覚、スキンシップも

⑤表情

⑥音声会話

⑦リアルタイムコミュニケーション(リアルタイムコミュンケーションについては次の記事参照:

kayabaakihiko.hatenablog.com

①から④まではVRならではの要素でしょうPCやスマホ上でこれらは厳しいでしょう。①から⑦のうち、現段階ではVRでは④の触覚と⑤の表情以外はほぼ実現しています。しかし触覚についてはかなり研究が進みつつあり、将来的にVRに触覚も加わっていくというのが業界の認識です。

⑤の表情と⑥の音声会話はスカイプである程度までは分かるでしょう。ですが⑤の表情というのは、スカイプの場合はリアルの表情の映写です。VRアバターの顔のところだけ顔のリアルタイム映像を流し続けるっていうのは無理があるでしょう。なかなか気持ち悪くなると思います。なので、リアルで笑ったという情報を元に、仮想空間内の自分の表情も同時に笑えばいいだけです。(ヘッドマウントディスプレイが邪魔にはなりそうですが・・・)リアルの表情をデジタル情報化し、3Dで生成した顔にリアルタイムで反映させる技術はもうかなり成熟してるっぽいです。(以下動画参照:xxArrayという会社の技術)


したがって今後、外見全てを再現していくことは難しくないでしょう。

 

なにが言いたいか?

SAOの世界はもうすぐやってくる・・・!?

ついにアスナちゃんに会える・・・!!!

ってことじゃなくて、

インターネット上の見知らぬ人との交流の究極の形は、VRによるSAO的世界だ!

ってことです。

2 医療

戦場から帰還した兵隊さんは心的外傷後ストレス障害PTSD)を患ってしまうケースが多いですが、その治療にVRが用いられているのはわりと有名な話だと思います。なぜか患者に、戦場での爆発や銃撃戦など戦争を再現させたVR体験をさせるのです。(いやむしろ悪化させるだろ!!って僕も思いましたが、専門的観点からはそのほうがいいらしいです。詳しくはググってください。)

ソードアート・オンライン(SAO)の第二期では、メインの登場人物は、幼い時に強盗から身を守るために銃で人を撃ち殺してしまったトラウマから、中学生になった今でも銃に関する事柄に触れると吐き気を催し、精神不安定になってしまいます。このトラウマを乗り越えるために、彼女はバーチャールゲームの世界に入り浸り、銃を駆使しまくるキャラクターとして大活躍するんです。不思議とVRの世界では銃を直視できるどころか、他のキャラを狙い撃ちすることも可能になるんです。

この話は完全に将来のVRの活用領域を予見していますね。さすがです。VR元年と言われている今年から6年前の2010年の段階でもうそんなシナリオを書いているとはあっぱれ。(VRは高所恐怖症、閉所恐怖症、人前で緊張してしまうことなど様々な症状に対する治療にも有効なのは有名です。)

 

3 セカンドライフ的要素

SAOにはプロプレイヤーがいて、それでお金を稼いでる人がいます。今でいうyoutuber的存在ですね。お金も存在する世界でして、経済が成り立っていて、職業も存在しています。(昔アメリカで流行ったセカンドライフもそんな感じです)

セカンドライフなんぞや?って人へ

Second Lifeは、3DCGで構成されたインターネット上に存在する仮想世界である。ユーザーはバーチャルな世界で好みのアバターになり、現実の世界とは異なる生活を送ることができる。運営は、アメリカのサンフランシスコに本社を置くリンデンラボ 社が行っている。略称はSL。(Wikipedia

ゆうて、PC上でやるサービスです。(リンデンランボのCEOのPhilip Rosedale氏は新たにVRセカンドライフをつくるべく、High Fidelity社を立ち上げたそうです。) 

 

LINE、2ちゃんねる、もなちゃと、アメーバピグ比較

みなさん、「LINE」と「2ちゃんねる」と「もなちゃと」の3つがあったら、どうゆうふうにカテゴライズしますか??どれとどれ同じ部類ですか?一瞬考えてみてください。

 

 

f:id:kayaba_akihiko:20160711220117p:plain

f:id:kayaba_akihiko:20160711040400p:plain

 

f:id:kayaba_akihiko:20160711221247p:plain

僕は最初、LINEと2ちゃんねるは完全に対称的な真逆なものと捉えていました。そしてLINEともなちゃとは同じ部類のサービスだと思ってました。

LINEは「リアルタイム的」サービスで、2ちゃんねるは「非リアルタイム的」サービスだと思ったからです。

LINEはチャット画面を開いていたら自動的にリアルタイムで相手の発言が更新されていく一方で、2ちゃんねるはページを一度更新しにいかないと、最新のコメントが表示されないからです。LINEのほうがリアルタイム性があるコミュニケーションだなと思っていました。一方でもなちゃとはLINEと同じように、画面をいじらなくてもリアルタイムで他のユーザーのコメントがどんどん出現してくるので、これも「リアルタイム的」サービスだと思ってました。

 

でも、もなちゃと(とアメーバピグも)が楽しい理由の一つを考えていたら、あることに気づきました。もなちゃとは、LINEとは180度違うサービスだと。

LINEは手紙やメールに近い要素があります。もなちゃとは、よりリアルのコミュニケーションに近いです。なぜなら、LINEは自分が友達にLINEした瞬間、そのLINEを友達がリアルタイムで見てくれていないからです。友達の目に自分の発信が入るまで、一定以上のタイムラグがあります。(24時間とある友達とのLINEチャット画面を起動していてずっと見てれば別ですが。あるいは、話が盛り上がってずっとチャット画面を開いた状態でお互い矢継ぎ早にLINEを送り合うケースもありますが、そのときはリアルなコミュニケーションよりになっています。)

 

一方でもなちゃと(アメーバピグスカイプのテレビ電話も)は、基本的にその場に自分も相手もいます。席を外すときは、取り込み中っていう表示を加える機能を使ったり、「ちょっと待ってて」というふうに相手に伝えて一時的に退席します。その時以外は、基本的には自分の発言はリアルタイムで相手に伝わるし、その逆もしかりです。これって、リアルのコミュニケーションと似ているんです。友達とカフェや居酒屋で話しているとき、基本的にその会話に集中します。自分の発言と相手の発言はリアルタイム(タイムラグ無し)でお互いに受容されますよね。当たり前のことですが。もなちゃとは相手がリアルタイムでそこにいるっていう確証があるんです。これは百聞に一見にしかずということで、一度もなちゃとを使ってみればわかりると思います。

もなちゃと 入り口 -AAチャット-

 

2ちゃんねるも、相手がその場にいる確証がないので、LINEと同じコミュニケーションツールに分類されます。コミュニケーションにタイムラグが発生します。そうすると、相手がそこにいるっていう感覚がなくなるんです。