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アニメ 『ソードアート・オンライン』から考えるSNSの未来とVR(仮想現実)の魅力

日本のアニメ、「ソードアート・オンライン」からVRの魅力(VRの魅力は腐るほどあると思いますが、そのうちいくつかを紹介します。)について考察してみます。ソードアート・オンラインってなんぞや?って人は以下のリンク記事読んでみてください。竿なら任せろ!って人は読み進めてくださいw

1 ソーシャル性

会ったことない人と、仮想空間上で会って、言葉を交わして、一緒に何かを体験していって、絆を深め合う。ソードアート・オンライン(SAO)では友情と恋愛が炸裂しまくり、主人公の感情に変化起きまくりの世界なんです。もうほぼ現実世界と変わらないんです。

でも考えてみたら、今のインターネット空間もSAO的VR空間に近いじゃないのって思ったんです。こうやってブログを書いて発信して、それを読んでくれる人がいて、2ちゃんで知らない人とだべったり議論したり、マッチングアプリで知らない人とチャットしたり。

kayabaakihiko.hatenablog.com

でもこのソードアート・オンラインでは上述したように人間関係のレベルが明らかに違います。レベチです。現実世界そのものなんです。それを感じさせるシーンは大量にありますが、

例えばこの会話。(ネタバレ回避の方は注意)

 

「なぁアスナ、俺たちの関係って、この世界だけのことなのかな」

「怒るよ、キリト君。たとえここが仮想世界でも、私の気持ちは本物だよ。もし元の世界に戻れたら、私、絶対キリト君ともう一度会って、また好きになるよ。」

 

 さすがアスナさん・・・。

これが2ちゃんねるtwitterマッチングアプリで絡んだだけの相手だったら、ここまでの情を抱きますか??www

なんで今のコミュニケーション媒体じゃそうはならないのか??

今のインターネット上の知らない人同士の交流はテキストメインだと思います。頑張っても音声の会話くらいじゃないですか?昔流行った斎藤さんっていうアプリとか。あるいはスカイプでのテレビ会話くらいです。

ではソードアート・オンラインはどうか?SAOは、本当に一緒にいる感覚があるから、絆が生まれるのでしょう。本当に一緒にいる感覚を実現させる要素は何か?

①主観の視点(アバターを第三者視点で見るのではない。)

②見えているまわりの景色が同じ(=視界の共有)(カフェに友達といるとき、まわりの景色は同じですよね?)

③体の動き、仕草など

④触覚、スキンシップも

⑤表情

⑥音声会話

⑦リアルタイムコミュニケーション(リアルタイムコミュンケーションについては次の記事参照:

kayabaakihiko.hatenablog.com

①から④まではVRならではの要素でしょうPCやスマホ上でこれらは厳しいでしょう。①から⑦のうち、現段階ではVRでは④の触覚と⑤の表情以外はほぼ実現しています。しかし触覚についてはかなり研究が進みつつあり、将来的にVRに触覚も加わっていくというのが業界の認識です。

⑤の表情と⑥の音声会話はスカイプである程度までは分かるでしょう。ですが⑤の表情というのは、スカイプの場合はリアルの表情の映写です。VRアバターの顔のところだけ顔のリアルタイム映像を流し続けるっていうのは無理があるでしょう。なかなか気持ち悪くなると思います。なので、リアルで笑ったという情報を元に、仮想空間内の自分の表情も同時に笑えばいいだけです。(ヘッドマウントディスプレイが邪魔にはなりそうですが・・・)リアルの表情をデジタル情報化し、3Dで生成した顔にリアルタイムで反映させる技術はもうかなり成熟してるっぽいです。(以下動画参照:xxArrayという会社の技術)


したがって今後、外見全てを再現していくことは難しくないでしょう。

 

なにが言いたいか?

SAOの世界はもうすぐやってくる・・・!?

ついにアスナちゃんに会える・・・!!!

ってことじゃなくて、

インターネット上の見知らぬ人との交流の究極の形は、VRによるSAO的世界だ!

ってことです。

2 医療

戦場から帰還した兵隊さんは心的外傷後ストレス障害PTSD)を患ってしまうケースが多いですが、その治療にVRが用いられているのはわりと有名な話だと思います。なぜか患者に、戦場での爆発や銃撃戦など戦争を再現させたVR体験をさせるのです。(いやむしろ悪化させるだろ!!って僕も思いましたが、専門的観点からはそのほうがいいらしいです。詳しくはググってください。)

ソードアート・オンライン(SAO)の第二期では、メインの登場人物は、幼い時に強盗から身を守るために銃で人を撃ち殺してしまったトラウマから、中学生になった今でも銃に関する事柄に触れると吐き気を催し、精神不安定になってしまいます。このトラウマを乗り越えるために、彼女はバーチャールゲームの世界に入り浸り、銃を駆使しまくるキャラクターとして大活躍するんです。不思議とVRの世界では銃を直視できるどころか、他のキャラを狙い撃ちすることも可能になるんです。

この話は完全に将来のVRの活用領域を予見していますね。さすがです。VR元年と言われている今年から6年前の2010年の段階でもうそんなシナリオを書いているとはあっぱれ。(VRは高所恐怖症、閉所恐怖症、人前で緊張してしまうことなど様々な症状に対する治療にも有効なのは有名です。)

 

3 セカンドライフ的要素

SAOにはプロプレイヤーがいて、それでお金を稼いでる人がいます。今でいうyoutuber的存在ですね。お金も存在する世界でして、経済が成り立っていて、職業も存在しています。(昔アメリカで流行ったセカンドライフもそんな感じです)

セカンドライフなんぞや?って人へ

Second Lifeは、3DCGで構成されたインターネット上に存在する仮想世界である。ユーザーはバーチャルな世界で好みのアバターになり、現実の世界とは異なる生活を送ることができる。運営は、アメリカのサンフランシスコに本社を置くリンデンラボ 社が行っている。略称はSL。(Wikipedia

ゆうて、PC上でやるサービスです。(リンデンランボのCEOのPhilip Rosedale氏は新たにVRセカンドライフをつくるべく、High Fidelity社を立ち上げたそうです。)