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視点交換VR、テレイグジスタンスで世界が劇的に変わる

前回の記事ではドローンによる視点交換VRがフェスやスポーツライブで活用されるであろうことを書きましたが、実は視点交換VRの力はエンタメ領域にとどまりません。

kayabaakihiko.hatenablog.com

目次

病気の人を外の世界と繋げる / 災害時の探索

伝説のアニメ、ソードアート・オンライン(SAO)ではこんなシーンがあります。(ネタバレ嫌な人は注意してください。)

とある事情で寝たきりのAさんが、「学校に行ってみたい。」、「どうしても昔住んでいた自分の家をこの目で見てみたい。」という。友達のBさんが、360度カメラっぽいものを肩に乗せて、実際にAさんの希望の場所をまわって、その光景を見せてあげる。Aさんは病室でヘッドマウントディスプレイっぽいものをつけて、それらを鑑賞します。

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また、主人公たちが、ゲームの世界のキャラクターであるNPC(Non-Player-Character、SAOでは人工知能扱いされています)と絆を深め、そのNPCにリアル世界を見してあげるためにも、視点交換を使います。

また、HER(世界に一つだけの彼女)という映画があります。主人公と人工知能との恋愛を描いた映画です。主人公は人工知能が入ったスマホを胸ポケットにいつも入れて、あちこち歩きまわって、サマンサという名前の人工知能と同じ世界を見て、同じ音を聞いて、同じ体験をします。

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SAOではカメラの奥にいるのが、ヘッドマウンテッドディスプレイをかぶっている人間ですが、HERの場合はカメラの奥にいるのが人工知能っていうだけの違いです。HERはとてもオススメ映画なので未鑑賞の方はぜひ。

SAOのように、寝たきりの人、病気の人、お年寄りの人が、外の世界と繋がる架け橋となるのが視点交換VRです。ドローンやロボットの遠隔操作ができれば、病気以外にも、雪崩が起きた雪山の探索、海中の探索、災害時の危険地域や倒壊家屋内の探索、火星や月面の探索など、あらゆる活用が想定できますね。

視点交換VRは他人と繋がることができる革命 

僕がインドネシア旅行の画像をいくらSNSに載せたり、現地でライブ配信なんかしても、僕の友人は僕の体験を本当の意味では理解しえないでしょう。ですがアニメSAOや映画HERに出てくるような視点交換VRがあれば、その人がなにを見て、なにを聞いて、そして触覚や味覚までも再現できるようになれば、その人と完全に同じ体験ができるようになります。人と人がもっと繋がる未来が待ち構えています。楽しみですね。フェースブックは、connect peopleのようなことをミッションに掲げているので、傘下のオキュラスは当然そうゆうことも考えているかもしれません。(当面の目標はタイムラインに赤ちゃんの様子や結婚式の様子などをVRで残すことだと思いますが。)

 

テレイグジスタンス、テレイマージョン

上記のような話をすると、映画好きの人ならば、ブルース・ウィルス主演のSURROGATEという映画(2009年)を思い浮かべることでしょう。SAOは家のベッドからフルダイブVRによって仮想世界に没入しますが、サロゲートという映画では、家のベッドから現実世界に再突入します。家でベッドの上から自分の分身ロボットを遠隔操作します。サロゲートというのは「代理人」という意味です。文字通りの映画ですね。面白いので見てみてください、オススメです。これはSAOで出て来た視点交換VRの究極の形です。

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ここまでいったらすごいです。1人1台分身のロボット人間を所有していて、基本的に外を出歩くのは人間の姿をしたロボット達です。ヒューマノイドが経済活動の中心を担います。どれだけ年を取っても元気に世界を走り回ることができます。このときは、ロボットの遠隔操作は、オキュラスタッチのようなコントローラーではなく、脳波によって行われます。右に動けと思ったら分身ロボットが右に動く。BMI(ブレイン・マシーン・インターフェース)と呼ばれるものですね。人間とロボットを繋げるインターフェースは脳派になるわけです。SAOや攻殻機動隊と同じですね。

マトリックスっぽさもありますねw)

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こうゆうロボット✕遠隔操作✕VR✕BMIなどの領域のことをテレイグジスタンス( Telexistence、遠隔臨場感、遠隔存在感)、テレイマージョンといいますが、先日行われたVR学会のタイムテーブルを見ても、テレイグジスタンス関連の発表はいくつもありました。(出席できませんでしたが。)確実に期待されている分野なのでしょう。実際にそのような未来を見据えて挑戦をしている、Macrospace Incという日本のベンチャー企業もあったりします。

 

視点交換VRを担うのはカメラが搭載されている全ての機械

SAOでは360度カメラ、HERではスマートフォン、Surrogateではヒューマノイドが視点交換VRを実現する媒体になっています。このように、コンピューターの「目」となる「カメラ」さえついていれば(センサーもあればなおよし)、デバイスはどうゆう形態をとってもOKです。スマホかもしれないし、メガネ型デバイスかもしれないし、ドローンかもしれないし、ペッパーかもしれないし、マツコロイドかもしれない。(マツコロイドってカメラついてないかw)

 

 (終わり!最後まで読んでいただきありがとうございます!)