インドネシア2週間旅行で途中39度オーバーの高熱で死にそうなってたカヤバです。。。向こうでついでに現地ベンチャーを訪問してきました!!
AR&COというアジア最大のAR(拡張現実)ベンチャーです。シリコンバレーのAR(拡張現実)の大会、AWE(Augmented World Expo)で何度も受賞している、インドネシア発の超すごいグローバルカンパニーです。
ホームページ:Augmented Reality & Co.
動画とホームページがイケてるwww 入社したいwww
この会社の創業者のピーター・シアラーさん(Peter Shearerさん)と、日曜日だったのでショッピングモールのカフェでお会いしました。奥さんとカワイイ赤ちゃんと来てました。
Q ARをやろうと思ったきっかけは?2009年って異様に早くないか?
インターネットで調べて知った。これは来るだろうと思ったからやろうと思った。
(インターネットで技術の存在を知って、それを実行に移しちゃう行動力すごいな・・・)
Q 広告代理店で勤務したあと、レストラン、オンラインフードデリバリー、ケータリング、マジックショップまで起業していったそうですが、どこからそのエネルギーは出てくるんですか??普通のインドネシア人はそんなふうにバンバン起業しませんよね?
成功したい、successfulになりたいという思いがずっとあった。そのために、高校卒業時くらいに起業家になろうと思った。家系も関係している。中国系インドネシア人(華僑)だから、家系が自分らでビジネスをやってきたのを見てきた。
(華僑はお金持ちが多いらしいです)
起業で成功するために、最初はいろんな業界の経験積んで勉強しておこうと思って、フードからなにからなにまではじめてみた。それらは何度も何度も失敗の連続だったよ。
Q 最初WIR(AR&COの持ち株会社)でパートタイムで働いてて、そこからAR&COもはじめたのか?
実はWIRは最初なかった。最初にはじめたAR&COが大きくなったから持ち株会社のWIRを作った。
AR&COがこんなにも大きくなるとは本当に思ってもいなかった。(これは何度も言ってましたw)
(ちなみにWIRは、We Indonesian Rocks/Rulesの略です。インドネシア発のグローバルベンチャーというところに誇りを持っていてカッコいいです。)
Q 4人中プログラマーは何人だった??
1人だけ。その人はいまITディレクターになってる。
Q 2009年からARやられてるわけですが、今年のポケモンGOのようなコンテンツの爆発は予測してましたか??
予測していたよ。うちもほぼ同じようなゲームをリリースしていたから。ただ、ポケモンGOはARによってというより、世界的に人気なキャラクターによって爆発した。
そうゆう意味では、日本は人気キャラクターがめちゃくちゃ多いから、VR/ARやるには恵まれた環境だと思うよ。
ちなみにARはリアル世界にいろんなものをinviteする技術。(with AR, you can invite anything to the real world)。例えばいまこうしてご飯を食べながら、横にキャラクター呼び出せるようになる。一緒にミクと写真撮ったりもできる。
ちなみに日本にはKUDANというARエンジンを開発しているARベンチャーがあるそうです。
Q スマホなみにARデバイスが普及するにはあとどのくらいかかると思いますか??10年後とかですか?
そんなにかからないかも。2,3年でくるんじゃないか??
ポケモンのおかげで早まった感はある。みんなARの遊び方、良さが分かった。グーグル・グラスの第2弾が出たらくるのでは?2013年のグーグル・グラスの時もみんな、「I want to buy it !!」 って最初熱狂した。マイクロソフトのホロレンズもあるしね。最終的にはコンタクトになっていくよ。
(コンタクトサイズまで小型化していくってのは共通認識みたいですが、ピーターさんはARデバイス普及までの時間を結構早く見積もってるっぽいです。シリコンバレーのVR/AR投資家のティパタットさん(Tipatat Chennavasinさん)やGumiの國光 宏尚さんはもうちょいかかると言ってたような気が??)
Q スマホはなくなると思いますか?
うーん、なくならないと思う。ARデバイスと繋がる形で残るんじゃないかな?AR眼鏡型デバイスはインターフェース。まあどうなるかは分からないけど笑
Q いまVRやってる会社も後々はARもやってくことになる??
Maybe. VRはパーソナルな体験。制限された体験。それに比べてARは人々と繋がることができる。ポケモンGOのように。
(うーむなるほど。ARの方が可能性秘めている的なニュアンスでした。ちなみにAR&COは一応VRもやってるみたいです。VR&AR combineさせてるって言ってました。)
Q なんでAR&COはARだけではなく、ロボティクス、オートメーション、ニューロセンシング(ニューロコントロール)など他のテクノロジー全般にも注力しているのか??
イノベーションはとても重要だから。テクノロジーはダイナミックだから、常にテクノロジーをアップデートしておかなければならない。イノベーションを起こしていけない企業はいずれは潰れしまう。だからR&D部門を設置して、テクノロジーのイノベーションにはすごく力を入れている。R&D部門はいま試行錯誤の繰り返しだよ。テクノロジーで出来ないことはない!
それに、ARは何とでも組み合わせていける。例えばAR×4D、AR×支払いシステムとかはもうやってる。ARは人々の生活の一部になっていくよ。
Q Neuro-sensingは具体的にどうやってARと組み合わせていきますか??
Neuro-waveという技術がある。頭で集中したら物を動かせるようになる。脳派でシューティングしたり、脳波でARマーカーを引いたりもできるようになる。ニューロセンシングのデバイスの例として、アイアンマンのこの動画を見せてくれました。
こんな感じのデバイスをつけると。完全に攻殻機動隊的な話ですね。(ソードアート・オンラインのナーブギアも脳波コントロールです)
Q この脳波の技術が確立してデバイスが普及するのは何十年も先ですか??
もっともっと早い、わりと数年でくるんじゃないか?
(なめてました・・・。もっと先の技術だと思ってました。)
これで思い出しましたがそういえばアップルの日本人女性、ヨーキー・マツオカ(Yoky Matsuoka)さんも似た領域で注力されてましたね。リンク先の動画ではNeurobotics(Neuro-ScienceとRoboticsの2つを統合させたもの)の研究が紹介されています。AR&COがAR(拡張現実)と脳波コントロールとロボティクスを全部やってる理由が分かりました。
Q 世界各地に拠点があるみたいですが、日本には進出しないんですか??
実は日本のある有名なコンビニと提携の話が決まっている。名前はまだ言えないけど、誰でも知っているコンビニだ。
(最強だ・・・)
Q 日本のコンビニにはAR&COからアプローチかけたのか、それとも向こうから来たんですか?
向こうから連絡してくれた。世界中の会社から依頼の連絡がくるよ。観光地の需要も大きい。マラトゥア島のスポットとも提携した。
Q インドネシアのスタートアップシーンはどんな感じなのか??
いますごく成長してきているよ。GOJEKのようなユニコーンの成功例がある。若者がGOJEKとかTokopediaの成功に憧れて、積極的にIT系スタートアップはじめてる。
(GOJEKはUberのバイク版みたいな感じです。前に記事で読んだので乗ってみたかったんですが、最高でしたw Tokopediaはソフトバンクから出資うけてるECサイトです)
ちなみにいま、インドネシアでスタートアップを支援しようというプロジェクトが始動したばかりだよ。
政府から援助受けているそうです。1000個のIT系のスタートアップのプロジェクトを支援していこうというものです。1つの都市につき100人と会ってそのうち20くらいのスタートアップを支援。スタートアップのエコシステムを形成する狙いです。始まったばかりで、私がピーターさんにお会いした前日にジョグジャカルタで第一回の発掘が行われたんだとか。ピーター氏もこのプロジェクトのメンターとして参画しているらしいです。
しかしながら、この時代のネガティブサイドは、優秀なプログラマーを見つけ出すことが難しいことだと言っていました。
ちなみにインドネシアのスタートアップの若者がピーターさんによくコンタクト取って訪ねてくるらしいです。平日は会社で忙しいから基本的に土日に時間を取って、いつもここのカフェで相談に乗るらしいです。プライベートな時間を削ってまで、、、すごいですね。
Q インドネシアでAR&CO以外のARカンパニーはあまりないのか??
AR&COが先駆者で、今まで全然なかったけど、最近けっこう出てきたところ!
Q ハードは作るつもりはないのか??アプリケーションに専念??
いえす。グーグル・グラスとかあるし。AR&COはARのソフトウェアに専念していく。
AR&COのアプリの1つを見せてくれました。インドネシアのオフィシャルなIDカード(免許証だったかな?)にスマホをかざすと、スマホのカメラ画面内にあらゆるコンテンツが浮かび上がります。IDカードの上に人間がポップアップして動きまわったり建物が立ったり。
AR技術はバーコードの技術と似ているらしいです。ある画像を認識し、ARコンテンツが浮かびあがるようにプログラミングすれば、それと同じ画像のものなら全部ARコンテンツがポップアップするようになるようです。会社やブランドのロゴとか、統一されている画像にはなんでも使えますね!画像として認識できればどんなものにも適用できます。
なので顔画像も同じ。顔をセルフィーで動画撮影しながらリアルタイムでインドネシアの民族衣装的なのをかぶせたりアイアンマンや宇宙飛行士のヘルメットをかぶせたりできるAR&COのアプリも見せてくれました。スナチャみたいですね!って言ったら、スナチャもARの一種だよと言われ、言われてみれば確かに!と思いましたw
Q Facebookみたいなシリコンバレーのテックジャイアント達に対抗できるくらいAR&COが大きくなることは可能だと思いますか??
Why not? アリババとかを見れば、中国は人口がめちゃくちゃ多いかきた。インドネシアも人口が世界4位だからこれからどんどん伸びる。全然可能だよ。
Q ビジネスやる上でのインドネシアの強みは人口以外には?
リソースが安い。だから日本や韓国の企業けっこうインドネシアにきてる。インドネシアでスタートアップやるのもありだと思うよ。物価も安いし。
Q 目標は??
世界で1番のARカンパニーになること。
Q Mindstoresと今までのECサイトとの違いは??
MindstoreってのはAR&COのグループ会社で、EC系です。(Homepage:Mindstores)
持ち株会社のWIRにはAR&CO以外にも複数のテクノロジー系企業がつらなっています。(Homepage:WIR Global)
Powered by Mindstores 3D AR/VR Virtual Store solution and technology, ALFAMIND is possibly the first 3D Virtual Retail Store Network in the world. ALFAMIND offers a new ‘familiar’ shopping experience where customers can browse and shop for products in the 3D virtual environment as if they are in the actual physical store, anytime, anywhere.(ホームページ)
質問への答えがちょっと曖昧なんですが、Mindstoreは誰でもストアオーナーになれて、ユーザー同士が物の売買できるというのが、普通のECサイトとの違いだみたいなことを言ってました。たぶん、アマゾンではなく、楽天とかC2Cのメルカリよりってことですかね??ホームページでみる限り、スマホの画面内、あるいはスマホの上に3Dでお店の外観や店内を再現しているようです。3Dでお店を再現するならば、VRヘッドマウントディスプレイやARメガネ型デバイスの方が、スマホよりもハードとして適している気がします。ARデバイスが普及してAR対応になった瞬間にいっきにくるかもしれませんね・・・?!ちなみにMindestoreはインドネシアのそこらじゅうにある有名なコンビニ、Alfamartと提携しています。
あとは個人的な話なので割愛しまする。
今はごく普通の一般人がARを利用するデバイスはスマホしかありませんが(それでも既にAR&COかなりきてるみたいですが)、メガネ型やコンタクト型が普及した段階で、この会社爆発する気がします!!今のインドネシアのGOJEKやTokopediaくらいには軽々なるかも?株買っとこ\(^o^)/www
それにしても、VR/ARの未来を語る起業家の方々は全員目を輝かせながら、エキサイティングでワクワクした感じで語ります。めっちゃカッコいいですw ワクワク伝播でこっちもめっちゃワクワクしてきます。
最後に写真取らせてもらいました。ピーターさんはイケメンで、家族との貴重な時間をパンピーの僕に割いてくれて、My pleasureって言ってくださる超優しい方でした。。。!すごく物腰柔らかくて、落ち着いた方です。インドネシアの起業家、カッコよすぎです!
(終わり)
AR&COに関する記事のリンクをいくつか載せておきます。